INTERVIEW
ヨーロッパのお菓子を日本へ。
市場の特性を商品に反映させながら
メーカーと協業で取り組む。
坂口 純平
Junpei Sakaguchi
輸入商品開発本部 菓子グループ 企画ユニット
2018年度入社
商学部 商業・貿易学科卒
Profile
海外輸入品の日本国内における販売代理店として、輸入菓子商品の海外メーカー窓口業務を担当。現在はスイスのリコラ社(ハーブキャンディ)とポルトガルのビエイラ・デ・カストロ社(クッキー等の焼き菓子)を中心に、商品の仕入(発注、輸入実務、在庫管理)と販売戦略の策定を行う。
01
留学先で感じた「食の力」を目指して。
食品商社なら幅広い商品を扱いながら
様々な食のシーンを提供できると感じた。
三菱食品へ入社を決めた理由を教えてください。
高校の3年間は、カナダ西部のビクトリアにある学校に留学しました。単身での渡加でホストファミリーのお世話になったのですが、まだ英語が上手に話せない初期の頃でも食卓に料理が並べられると自然と会話が弾むんです。また同級生や友人とも食卓を囲み一緒に食事することで距離が縮まりました。その経験を通じて「食の持つ力」を体験し、就活では食に関する企業を目指しました。生活者の暮らしの豊かさに貢献できる仕事こそ、自分の求めていたものだと感じました。中でも三菱食品は、特定の商品に縛られることなく生活者の方々に様々な食のシーンを提供できる点に魅力を感じました。またリクルーターの方がとても魅力的だったことも入社へのひと押しになりました。入社10年目ぐらいの先輩だったのですが、「社会人としてこういう人と一緒に働きたい」と強く感じ、三菱食品への入社を決めました。
所属する輸入商品開発本部は何を行う部署なのですか?
輸入商品開発本部は、輸入事業に特化した部署で、三菱食品のなかでは独自のポジションにあります。主な役割として、海外の商品を日本の市場で販売する「輸入総代理店」としての業務を行っています。三菱食品の他の部署で行われているような、メーカーから仕入れた商品を得意先に販売する卸事業に対して、我々の部署はよりメーカーに近い立場で、自社オリジナル商品の輸入・開発、販売に携わっています。
入社後のキャリアパスと現在の業務は?
入社以来5年間、海外からの輸入品、主にお菓子に携わっています。入社後の3年間はスーパー等の小売店に対して輸入菓子を販売していく営業業務に携わりました。その後2年間は、海外の菓子メーカーの窓口として輸入オリジナル商品の仕入業務に携わっています。この5年間で仕入から販売まで食品商社としての一連のフローを全て経験したことは、私の強みの一つとなっていると思います。スーパーの現場や消費者の嗜好といった部分にまで接していた経験は、メーカーとの商談などでも十分に活かされています。海外のメーカーに「日本の消費者はこういうものを求めている」「こういうふうにした方がより売れる」と語れるのは、やはり説得力が違うのではないでしょうか。
02
日本の市場特性にいかにアジャストし、
メーカーを巻き込んでいくか。
仕入は注文して終わりではない。
輸入菓子を扱う面白さはどこにありますか?
メーカーが商品開発をするとき、そこには必ず一つの「ストーリー」があります。国や地域の文化であったり、現地で採れる食材、人々の嗜好、あるいは気候みたいなものまで。それらを理解した上で、いかに日本向けにローカライズしていくかは一つの醍醐味ですね。例えば私が仕入れを担当するハーブキャンディー「リコラ」についても、スイスでの商品開発ストーリーを熟慮した上で、メーカー側にも日本市場の特性を十分に理解してもらい、共通の販売戦略を策定し協業していきます。つまり仕入業務とは、単にメーカーに注文して終わりではなく、商品開発的な側面もあるのです。遠いスイスのメーカーに対して、オンライン且つ英語で市場特性の説明をすることもあり、難易度は低くありません。苦労が多い分、さまざまなプロセスを経て仕入れた輸入菓子が実際に店頭に並んでいるのを見ると嬉しいですね。そして販売目標を達成し、協力してくれた海外メーカーと喜びを共有できた際は、仕入担当として最も達成感を感じる瞬間です。この「リコラ」はまさに日本向けローカライズが進行中で、韓流スターを起用した広告などPR活動も積極的に行なっています。実はこういった業務も仕入担当の大切な任務です。
印象に残っているエピソードを教えてください。
あるドイツのチョコレートメーカーからのご提案で、特定の大型小売店の商品開発、販売を行ったことが印象に残っています。輸入菓子を仕入れる時は、ほとんどの場合現地で梱包まで完成させてから日本に運びますが、この時は現地のチョコレートを原料として輸入し、袋詰めやそのパッケージデザインなどは日本で行いました。そのため海外メーカーや小売店はもちろん、日本の包材会社、加工会社、印刷会社など様々な企業とやり取りをしながら形にしていく必要がありました。パッケージでチョコの美味しさを表現するため、デザインや色味のパターンを何種類も検討しました。実際に商品が店頭に並んだときはもちろん、それ以上にSNSなどで「美味しい!」などの好意的なコメントが多数投稿されているのを見たときは本当に嬉しかったですね。そのチョコは今でも販売されており、定番商品の一つとなっています。
03
輸入菓子の魅力をもっと日本に。
そしていずれは他のカテゴリーも経験し
「食の持つ力」を広く提供したい。
輸入品の仕入で大変なことはありますか。
輸入品に顕著な傾向としてあるのはいわゆるプロダクトアウトの発想です。メーカーが考えて開発したものを「さあ買ってください」とやることも一つの方法ですが、三菱食品では、近年マーケットインの発想により注力しています。つまり「生活者が欲しいものを作る」という考え方。当たり前のようですが、これが意外に海外メーカーには理解されない。そこで我々食品商社の存在意義が発揮されます。食品商社はスーパーなどの小売店等で生活者の生の声を聞いていますので、それをメーカーに伝えることができます。同時にメーカーに対しては、日本の小売業で扱ってもらえるよう、日本の食に関する法律への適合性なども要求します。「リコラ」にしても、マーケットインの発想を取り入れた結果、まったく新しい日本向けのキャンディーを開発する可能性もあります。「どうすれば日本でブランド力を向上できるか」を常に考えながら、海外メーカーにマーケットインの発想を実践してもらうべく働きかけていきます。
3年後の自分はどうなっていたいですか?
私はお菓子が好きです。自分でもよく食べます。袋を開け調理不要で誰でも食べられる手軽さはお菓子という嗜好品の特性のひとつでしょう。日本にも菓子メーカーはたくさんありますが、輸入菓子担当の私としては、輸入菓子の持つ魅力をもっと日本に広めていきたい。ですので当面は今の業務をより突き詰めていきたいと考えています。「リコラ」「カストロ」以外のブランドにも興味があります。ただせっかく三菱食品に入社したからには、加工食品や低温食品、酒類など、お菓子以外の商品も担当してみたい。三菱食品はあらゆる食のカテゴリーを取り扱っており、幅広い経験のチャンスがあることは社会人として成長していく上で大きなメリット。私のデスクの周りにはお菓子以外の担当者が多くおり、それぞれの話を聞くことは刺激にもなります。昔私がカナダで感じた「食の持つ力」を生活者のみなさんに実感していただけるような仕事に、一つでも多く携わりたいと思っています。
ONE DAY SCHEDULE
- 8:45
- 出社 / メールチェック・スケジュールの確認
- 9:00
- 担当ブランドの販売進捗や欠品になりそうな商品を確認
- 10:00
- グループ会議で新商品に関する打ち合わせ
- 12:00
- 会社周辺の美味しいラーメン屋さんを探索
- 13:00
- 在庫状況を加味して新規のオーダー提出
- 15:00
- ヨーロッパのメーカーとWEBミーティング 直近の販売状況の確認し、新しい販売戦略について打ち合わせ
- 17:30
- 日報を作成し、退社/同僚と飲みに行く
OFF TIME
基本的にはインドア派ですが、海外旅行も好きです。直近ではメキシコ旅行が楽しかったですね。海外に行くとどうしても現地の食事が気になってしまい、レストランでの食事はもちろんスーパーなどにも足を運びます。次に行きたいのはアルゼンチン。知人に「お肉が美味しい」と聞いたので楽しみです。気に入った場所をリピートするより、行ったことがない場所に行くのが好きかな。
社員インタビュー
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※取材当時の部署です。