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Challenges For The Future
–Project 04-

#04

生活者の嗜好の変化を敏感に汲み取り、酒類市場の
「希望溢れる未来」をつくっていく。

  • 山本 忠徳

    山本 忠徳
    やまもと ただのり

    酒類事業本部
    戦略オフィス
  • x
  • 外薗 樹里

    外薗 樹里
    ほかぞの じゅり

    酒類事業本部
    戦略オフィス
  • x
  • 髙橋 彩香

    髙橋 彩香
    たかはし あやか

    酒類事業本部
    商品オフィス
  • x
  • 高橋 亜季

    高橋 亜季
    たかはし あき

    マーケティング本部
    カスタマーマーケティンググループ
酒類市場を取り巻く環境が激変している。
人口減少や生活者の嗜好の変化による酒離れが進み、
市場は縮小傾向を余儀なくされている。
こうした閉塞感漂う酒類市場に、
新たなビジネスモデルを確立しようと奮闘する社員たちがいる。
お酒の魅力を新たな形で引き出し、生活者の心に潤いをもたらして、
食の未来を切り拓け。
縮小傾向にある酒類市場を
活性化するために、
オール三菱食品で、
チルドリカーの全国流通を
実現させる。

酒類市場は人口構造の変化に大きな影響を受けている。これまで市場を支えてきた世代が高齢化する一方で、若い世代の酒離れが進み、お酒の消費量は減少傾向にある。酒類市場を再び活性化させるため、今まさに打開策が求められている。このような状況下で、食の中核企業を目指す三菱食品だからこそなし得る、新たなビジネスモデルの確立を目指す社員たちがいる。その奮闘ぶりを追う。

山本 「ビールにしろ日本酒にしろ、お酒単体で生活者の購買意欲を高めることは難しい時代になっています。その前提を踏まえて、お酒の魅力をどう伝えていくか。そのヒントになるのが、『コト消費』ではないかと考えています。コト消費というのは、商品自体の価値(味やパッケージなど)以上に、その商品に込められたつくり手の想いや、ストーリーといった付加価値ごと生活者に味わい感じてもらうこと。お酒そのものに価値を見出しにくい時代ですから、お酒のある生活に価値を見出していくべきだと考えているのです。」

新たなビジネスモデル確立のための第一歩として、彼らが注目したのがチルドリカーだ。チルドリカーの特徴は無ろ過であること。アルコールは酵母を発酵させることでつくられる。しかし発酵が進みすぎるとアルコールが酸化し、味が変化して商品にならない。そのため元来アルコール類は酵母と混濁物質をろ過した状態で出荷される。しかし製造元から生活者の手に渡るまでの長期間、低温管理で保存できれば、無ろ過の出来立てのおいしさが家庭でも味わえるのだ。つまり、チルドリカーを流通させるための絶対条件が、発酵を止める低温管理での流通ということ。三菱食品はもともと低温食品を全国に届ける物流網が発達している。この強みを最大限に活かすことで、日本中の生活者がチルドリカーを楽しむことができるのだ。

山本 「例えば生酒。地方には生酒をつくっている蔵元さんがたくさんおられます。蔵元では、職人さん一人ひとりが丹念に、思いを込めて生酒をつくっておられる。私たちが持つ低温管理の技術で、職人さんの思いと共に、出来立ての生酒を生活者に届けられれば、生活者の心にも生酒が持つ本来の魅力を伝えられると考えました。ただ、それを実現するには、私たち酒類事業本部だけではできない。営業やロジスティクス、マーケティングなどと連携した、三菱食品全社的な取り組みにしなければ実現できないことでした。」

生酒やチルドビールなど、かつては見かけることのなかった商品を、最近スーパーやコンビニで見かけるようになった人もいるだろう。この背景には、低温物流技術をはじめ、三菱食品が持つリソースをフル活用することで初めて流通が可能になったという事実がある。そして何より、日本中にフレッシュなおいしさを届けたいという、彼らの想いが詰まっているのだ。

山本 忠徳・髙橋 彩香
いかにして生活者に
「コト」を届けるか。
情報発信に奮闘する社員たち。
チルドリカーの製造元は、地方の小規模なメーカーや蔵元が多い。もちろん全国に流通させるだけの物流技術は持っていない。そのため、チルドリカーは製造元でしか飲めない希少品であった。一方で規模の大きなメーカーも、採算のとりにくいチルドリカーを流通させることには、そこまで前向きではなかった。しかし、つくり手たちの想いはどうだろう。自分たちの愛情が詰まったお酒を、日本中の生活者が楽しんでくれたら。三菱食品が着目したのはそこだ。つくりたてのおいしさを日本中に届けたい。それも、つくり手たちの想いと一緒に。
ここに3人の女性社員が登場する。彼女たちは、地方の職人たちの思いが詰まった商品を、どう生活者に伝えていくか、日々試行錯誤を続けているメンバーたちだ。
高橋
亜季
「私たちが伝えたいのは商品そのもの(モノ)ではなく、商品に込められた思い(コト)です。まずはそれをインターネットで伝えていく戦略を採りました。そのために、まずコトと生活者のニーズの接点となるポイントを探る必要がありました。ターゲットは既存の酒類市場のメインターゲットである30~50代の男性。そして今後市場を大きく盛り上げる可能性が高い20~30代の女性です。この世代の女性たちはお酒に対してポジティブなイメージを持つ傾向が強く、また男性に比べ好奇心も強く、新しい商品に対して積極的なんです。彼女たちはSNSなどでの発信力もあるので、彼女たちにコトを伝えていくことで、新しい商品の魅力を伝播させていくことができるのでは、と判断しました。」
三菱食品が発信するWebサイト「たのしいお酒.jp」(※)はこうした思いから制作され、2016年6月にオープンした。女性にもお酒の魅力が十分に伝わる構成、思わずお酒が飲みたくなるような記事など、生活者の視点から楽しめる情報を大切にしている。ここから発展する形で、ビールに特化した情報発信コンテンツ「ビアパレット」が制作された。
髙橋
彩香
「お酒の中でも、生活者が最も触れる機会が多いのがビールです。一方で、若い世代を中心にビール離れが起こっているのも事実。そのため、ビアパレットではターゲットを30代男女に設定し、ビールへの関心が低い若い方へのアプローチと共に、ビールへの関心が高い方へも、ビールの新たな魅力に触れてもらえるような情報を発信していこうと考えました。例えばビールが苦手な方へ向けて、フルーツビールの紹介や、カクテルアレンジのレシピなど、ビールの新しい楽しみ方を提案しています。一方でビール好きな方に対しては、地方の醸造所でつくられているクラフトビールの紹介を通じ、それをつくる職人さんの思いなど、コトを伝えていく施策を行っています。」
こうしたお酒の新たな魅力を発信し始めたことで、「その商品はどこで買えるのか?」といった生活者からの反応が出始めている。徐々にではあるが、生活者のライフスタイルとお酒が持つ魅力とが、結びつき始めている。
外薗 樹里・高橋 亜季
お酒と生活者の
接点の場を活性化させるため、
魅力的な売り場開発に
取り組んでいく。

チルドリカーの商品を生活者に届けるための、接点づくりは形になってきた。問題は、流通させるのが難しいチルドリカーを全国に届けるための、コールドチェーンの仕組みづくりだ。
三菱食品には国内トップクラスの低温物流機能がある。しかし、スーパーやコンビニなど小売業側にも、商品を低温管理する仕組みが必要になってくる。つまり、三菱食品だけではチルドリカーの全国流通は実現できないのだ。酒類市場における新たなビジネスモデルの確立には、パートナー企業である小売業の賛同が必須条件になる。もちろん新しい売り場をつくり、魅力的な商品を生活者に発信していきたい思いは小売業も同じ。組織の枠を超えて、チルドリカーの魅力を生活者に伝える取り組みに情熱を燃やすのが、外薗だ。

外薗 「チルドリカーという言葉の意味を、一般の生活者の方々は知りません。ですからこういった商品一つひとつの魅力を伝える以前に、チルドリカーとは何なのかという点から、コミュニケーションをスタートさせる必要があります。そのためにまずは、商品を購入していただくという観点よりも、商品を育てていくという観点で取り組む必要があります。ブランディングやマーケティングの視点から商品の魅力を伝えていくというのもその一つ。また生活者のライフスタイルの多様化に合わせた商品の展開も重要で、ローカル性に関心の高い方もいれば、新鮮さを求める方もいます。そういった様々な観点を考慮しながら、パートナー企業とがっちりタッグを組んで、今後も魅力的な売り場開発を行っていく必要があると思います。」

チルドリカーを全国区にしていく取り組みはまだ始まったばかりだ。しかし彼らの真の目的は、閉塞する酒類市場を活性化させることにある。そのための取り組みは、チルドリカーに限ったことではない。オリジナルワインの開発や、新たなチルド商品としてのチルドチューハイの開発にも取り組んでいる。生活者がお酒に興味を持つきっかけは様々だろう。そのフックとなるものを、彼らはこれからもつくり続けていく。酒類市場を、今一度キラキラと輝くものにするために。

三菱食品は、もはや中間流通事業者に留まらない。市場全体の現状を見据え、市場の未来をより明るいものにしていく役割をも担っている。食の中核企業を目指す三菱食品にとって、酒類市場活性化は、一つの試金石になる取り組みと言って良いだろう。

※「たのしいお酒.jp」の詳細は、こちらをご覧ください。
たのしいお酒.jp
最後に、こんな問いを投げかけてみた。

彼らが描く理想の
“食の未来”とは?

高橋 亜季・髙橋 彩香・外薗 樹里・山本 忠徳
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