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Challenges For The Future
–Project 03-

#03

食材の可能性を
どこまでも追求し、
未来に向けた「食の広がり」
を生み出していく。

  • 坂倉新二郎

    坂倉新二郎
    さかくら しんじろう

    商品開発本部
    第一グループ
    加食開発ユニット
  • x
  • 永田真澄

    永田真澄
    ながた ますみ

    商品開発本部
    第一グループ
    加食開発ユニット
  • x
  • 水野恵介

    水野恵介
    みずの けいすけ

    営業第一本部
    第二グループ
    Aユニット
欧米で生まれたツナフレーク缶。
日本国内においても750億円規模を誇る巨大市場だ。
その中で、生活者に新たな選択肢を提供し、
ツナ缶市場に大きな風を吹かせようとする社員たちがいる。
食材の可能性を追求し、巨大市場を活性化して、
食の未来を切り拓け。
「ツナ缶には向かない」
という固定観念があった
メバチマグロを用いて、
新たなツナフレーク開発に挑戦。
そこには三菱食品でしか実現できない
理由があった。

ツナ缶といえば、子供からお年寄りまで誰もが愛好する加工食品の代表例だ。国内だけでも750億円規模の市場があり、日本人の食生活に欠かせない食品と言っていいだろう。主な原材料となるのはカツオやキハダマグロ。水揚げ量が多く、加工用原材料として適している。一方で、日本人が好むマグロの刺身はメバチマグロが一般的だ。マグロの風味が強く、魚好きの日本人にとっては、一番馴染みのあるマグロと言っていい。この日本人好みの味を、ツナ缶でも楽しむことはできないか?そして、成熟したツナ缶市場を活性化することはできないか。市場活性化は食の中核企業の使命でもある。しかし、加工用メバチマグロは水揚げ量が少なく、実現は簡単なことではない。さらには、「ツナ=キハダマグロ」という業界の常識を打ち破る必要もあったのだ。

このメバチマグロを原材料としたツナ缶の開発に挑んだのが、商品開発本部の加食開発チームだ。生活者に新たな選択肢を提供することで、成熟市場と言われるツナ缶市場に新たな風を吹き込み、市場の活性化に挑む。そのために乗り越えなければならない、メバチマグロ特有の壁(水揚げ量の少なさ・ツナ缶には向かないという固定観念など)をどう乗り越えるか。ここで活かされたのが、三菱商事グループの総合力をフル活用することだった。

坂倉 「当社は三菱商事グループにおける食の中核企業です。三菱商事の出資先には世界最大級のマグロ加工工場がありますから、この工場と組むことで、メバチマグロの安定供給が初めて可能になるのです。これは当社でしか実現できないことですし、唯一無二のオリジナル商品をつくれるというメリットがあったのです。」

とはいえ、三菱食品としても過去に例のない挑戦であったため、開発段階で様々な困難が立ちはだかった。例えばメバチマグロの身はキハダマグロに比べて赤が濃い。これは血管が多いためだ。そのためツナフレークにした状態では、血管が除去し切れず缶詰の中に充填される可能性があり、それがクレームに繋がるリスクが想定された。

坂倉 「こうしたリスクを軽減するため、製造工場で人海戦術を敷いてもらっています。日本向け商品用の製造工程にフレーク状にしたツナの選別作業を加えたのです。通常ツナフレークの製造工程に、フレーク化後の選別は行われません。しかし、メバチマグロの特徴を考えれば、この工程はどうしても加えなければならないものでした。世界最大級の製造工場だからこそ人員も豊富であり、そこに三菱商事のフォローも加わってこの例外的な工程を加えることができたのです。」

坂倉新二郎
定番商品がひしめく市場で、
いかにインパクトを与えるか。
苦心の結果生み出された、
パッケージデザイン。

メバチマグロを原材料にした新しいツナ缶の開発は、製造が可能になったことだけでハッピーエンドにはならない。巨大市場であるツナ缶市場で、どれだけインパクトを持って生活者に訴えられるかが勝負のカギでもある。そのためにパッケージを始めとしたプロモーションも、重要なプロジェクトの一端を担うことになった。

パッケージ開発を担当したのが、坂倉と同ユニットのメンバーである永田。食品メーカーの有名商品からスーパーなどのPB商品まで、市場に出回っているツナ缶を買い集め、パッケージの比較検討を繰り返した。法律上の規制やラベルという限られたスペースの中で、いかに説得力のあるデザインをつくるか、頭を悩ませる日々が続く。

永田 「当社のツナ缶の最大のオリジナリティは、メバチマグロを使用しているというところです。またフレーク自体の大きさもこの商品の特徴です。そこで商品の特徴をどうやって視覚的に一目で生活者に伝えるのか、この点を重視したパッケージを開発するのに苦心しました。」

市場でよく見かけるツナ缶の多くが、白のパッケージに1行で「ツナフレーク」などと商品名が描かれる。そこであえてパッケージの色を競合商品と変えたり、商品名も2段で表記してみるなどの試行錯誤を繰り返した。人気商品がひしめくスーパーなどの棚に後発商品が食い込んでいくためには、こうしたデザインの細部にもチャレンジが必要なのだ。最終的には、社内に広くヒアリングし、何種類もの試作デザインの中から、現在のデザインに決定した。

永田 「食品のパッケージデザインというのは、目新しいだけではダメなんです。特にツナ缶のような生活者に定着している商品の場合、生活者が抱いているパッケージイメージというのがあります。そこから距離が離れすぎると、ツナ缶商品として認知されにくくなる。この点も踏まえてのデザイン開発ですから、目新しさと定番イメージのバランスを取るのがとても難しい仕事でした。」

永田真澄
新生・三菱食品の象徴に。
新商品に込めた
販売チームの思い。

こうして、メバチマグロを原材料にした市販用ツナ缶が完成した。しかし、それをどう生活者に届けるか、ここからは販売担当である営業の腕の見せ所となる。スーパーやコンビニの商品棚に置ける品数は必然的に決まっているため、小売業からすれば、認知度が高く安定的に販売できる有名メーカーの商品に、棚の多くを割くのは当然のことだ。後発商品にとって最初の関門は、小売業のバイヤーにどうやってその商品の魅力を理解してもらうかだ。

スーパーチェーンを担当する営業の水野。彼もまた商品開発陣の思いを受け止め、粘り強く営業を行った者の一人だ。

水野 「メーカーのツナ缶は市場に定着していて、生活者や小売業も安心感があります。しかし、当社商品も実際に食べてもらえれば、決してそれらに負けないという確信がありました。そこで、カツオやキハダマグロに比べてプレミア感あるメバチマグロを原材料にしていながら、それら定番商品と同等の価格で販売するお手頃感を、前面に押し出す戦略を立てました。」

とはいえ、大々的なプロモーションが出来ない三菱食品のPB商品は、決して生活者からの認知度が高いわけではなく、小売業にとっても扱いやすい商品とは言えない。しかし水野は諦めなかった。PB商品を店頭に並べてもらうことこそ、最大のプロモーションなのだ。まさにそれが、営業としての使命でもある。彼をはじめ販売を担当する営業チームは、必死に売り込んだ。商品に対する思い入れこそが、最大のセールスポイントだと信じて。

水野 「当社は2011年に統合して誕生した新会社です。三菱食品になってまだ日が浅く、パートナー企業に対して自分たちが変わったことを何とかアピールしたいという思いがありました。そういう意味でもこの新商品を、新生・三菱食品そのもののシンボルにしたかったんです。この商品から、新しい三菱食品がスタートする。その思い入れをパートナー企業に伝えようと、みな必死でした。」

水野恵介

中間流通業という、決して表には出ない裏方の役割を担っているという使命感はある。しかし、中間から中核企業へと進化させようという組織としての思いが、水野にもまた強くある。三菱食品が展開する『Lily』(※)ブランドは、その象徴になるべきなのだ、と。

結果的に水野が担当するスーパーでは、新商品が陳列されヒットに繋がっていく。発売後数ヶ月、異例の速さでのヒット商品となった。しかし、それはゴールではなくスタートである。坂倉も、永田も、そして水野も、既に次の市場を見据えている。

坂倉 「缶詰の市場は、実は年々縮小しています。しかし缶詰は、缶詰にしかない魅力の詰まった食品でもあるのです。非常食やストックとしての役割は勿論、加熱・加圧殺菌してつくられる食品なので、保存料を使う必要がありません。つまり缶詰は、実は極めて安全・安心な食品と言えます。また、魚の缶詰などは骨まで食べられるよう柔らかく加工されていますし、真空状態で加熱するため栄養価も失われにくいんです。私たちは『Lily』ブランドを育てながら、缶詰市場そのものも活性化させていきたいと考えています。」

※Lily:三菱食品が展開する缶詰商品のプライベートブランド(PB)。果実缶詰や水産缶詰が主力。

最後に、こんな問いを投げかけてみた。

彼らが描く理想の
“食の未来”とは?

坂倉新二郎・永田真澄・水野恵介
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